スポンジ生地

 

デコレーションケーキの画像

スポンジ生地の仕上がり一つでケーキの出来が決まるくらい重要です

デコレーションケーキを作るうえで最も地味で隠れた存在のスポンジ生地ですがどんなケーキ
を作る場合でも基本の生地がうまくできないとせっかくのデコレーションケーキが台無しなんて
こともあるくらい重要な行程の一つがスポンジ生地です。
スポンジ生地
材料は卵、砂糖、小麦粉(薄力)、バター、などを混ぜ合わせるだけなんですがケーキ作りで
大部分の人が失敗した経験があるのがこのスポンジ生地作りだと思います。
しかし基本の作り方や簡単なコツを抑えておくだけでふんわり美味しいスポンジケーキが
誰でも作れますので今回はこのスポンジ生地の作り方をわかりやすく説明してみたいと
思います。

スポンジ生地作りに必要な材料と道具をすべてそろえてから生地作りに取り掛かる

ケーキ作りはスムーズでスピーディーな作業が要求されます。
作業の途中で材料が足りないとか道具が見つからない、オーブンの予熱を忘れていたなどその場で慌ててしまうようなことは
失敗のもとになりますので注意しましょう。
ほかにも失敗しがちな注意点を先にあげておきますので参考にして下さい

計量器の画像

材料の計量はきっちり正確に測りましょう

スポンジ生地はほんの少しの計量違いでふくらみが悪かったり、ふんわり柔らかく仕上がらない
など食感が違ったスポンジが出来上がってしまいますので計量は正確に行いましょう

卵やバター、牛乳などは早めに常温に戻しておくこと

卵は特に泡立ちがわるくなるので早めに常温に戻すか泡立てる少し手前で湯銭にかけて温めるかします
私の場合はバターと牛乳は一緒のボールに入れて湯銭にかけてバターを溶かしておきます。
こうすると卵の温度と牛乳とバターの温度が同じくらいの温度になり泡立ちが安定します。

薄力粉をふるいにかける

薄力粉をふるいにかける意味は2つあります。
1つは薄力粉のだまや不純物を取り除くことともう一つは空気をたっぷり含ませることで卵と砂糖を泡立てた
ベースの生地と混ざりやすくするという2つの意味があります。しかし粉をふるうタイミングが早すぎると
ベースの生地と混ぜ合わせ易くなるといったメリットは消えてしまいますので一度ふるっておいた粉をベースの
生地と合わせる直前にもう一度ふるうといいです。

スポンジ生地を作る時に使う砂糖はグラニュー糖と上白糖どっちがいいの?

砂糖の主な成分はショ糖でグラニュー糖のショ糖の割合が99.9%位に対して上白糖はブドウ糖、果糖、水分が多く
含まれるためショ糖の割合は97.8%位です。と言われてもよくわかりませんよね
なので私がお菓子作りでグラニュー糖と上白糖を使い分けている具体的な例で説明します
上白糖はグラニュー糖と比べて甘みを強く感じてスポンジ生地に使用すると焼き色が付きやすく仕上がりはしっとり
した感じになります。
同量の砂糖をグラニュー糖に置き換えて焼くと焼き色は淡くなり甘みは上白糖よりも軽い甘さになります。
どちらを使うかは好みだと思いますがカステラ生地は上白糖を使用していますのでしっとりして焼き色も濃くなって
います。
クッキーやメレンゲ菓子などにはグラニュー糖を使いますがこれは上白糖よりも焦げ目がつきにくくしっとり
しにくいからです。
そのほかグラニュー糖は溶けやすいのでゼリーやムースにも使います
話がそれてしまいましたがスポンジ生地を作る時に使う砂糖は私は上白糖がおすすめです。
よく甘すぎるという人もいますがデコレーションケーキは生地とホイップクリームで甘さ調節ができますから
生地とクリームに入れる砂糖の量で調節すれば問題ありませんのでしっとりふんわりしたスポンジ生地を
目指すなら上白糖がおすすめです。

それではさっそくスポンジ生地を作っていきたいと思います!

今回はデコレーションケーキ5号サイズ用のスポンジ生地3個分のレシピです
スポンジ生地の材料
【焼成前の1個当たりの使用量250g】

卵  ・・・・・・・330g(Ⅿ6個~7個)
上白糖・・・・・・・200g
薄力粉・・・・・・・180g
バター・・・・・・・・20g
牛乳 ・・・・・・・・34g

 

 

卵の画像卵を小さなボールに割り入れます(小さなボールに割り入れるのは細かい殻が入った場合取りやすくするため)
割った卵をミキサーボールに入れ軽く混ぜながら湯銭にかける(人肌程度まで温める)
上白糖を半分程度加えて混ぜ合わせ溶けやすくしておく
湯銭して温めておいたボールをミキサーにセットして高速で混ぜ合わせます。空いた湯銭にバターと牛乳を入れておいたボールをかけて溶かしておく(溶けたら必ず湯銭から外す)

 

卵2の画像

高速で混ぜ合わせるときに卵が冷たいとなかなか泡立ってくれませんので必ず湯銭で温めてからミキサーにかけるようにしてください。特に冬場はミキサーにかけている途中でかなり温度が下がってきますので泡立ちが悪くなります。そのまま長時間泡立ちが悪いからと言ってミキサーを回し続けるともったりとした目の詰まった重たい生地になってしまいますのでしっかり温めてからミキサーにかけて下さい。目安としては人肌よりも若干温かいくらいがいいと思います。左の写真のように垂れた生地の跡が残るくらいがちょうどいい感じです。このくらいベースの生地が泡立ったらミキサーから外します

 

卵と薄力粉の画像

目の細かいふるいにかけて薄力粉ふるう(2回)湿気の多い時期は3回くらいふるったほうが混ぜるときにダマができにくいです。ふるった薄力粉はすぐにベースの生地に2回に分けて混ぜ合わせます。混ぜるときに注意したいことは下から上に生地を持ち上げるように混ぜていきます。(生地を練るように混ぜないようにしましょう)

 

 

 

卵と薄力粉2の画像

粉っぽさがなくなればOKです。ここで注意することは混ぜすぎない様にしましょう。 混ぜすぎるとせっかくきめ細かく泡立った生地の気泡がつぶれてシャバシャバになってしまいふんわりと浮かない生地になってしまいますので粉ぽさがなくなったところで止めて下さい。この後、牛乳とバターを入れて再度混ぜ合わせるのでさらにシャバシャバした 生地になってしまうのでこの点を気を付けて混ぜ合わせます。

 

 

卵と薄力粉の生地画像最後に湯銭で温めておいた牛乳とバターを入れてさっくりと混ぜ合わせます。今回は牛乳とバターを使いました。牛乳とバターの場合、生地の食感はしっかりしたコクのある生地に仕上がります。これを牛乳とキャノーラ油に置き換えると生地は軽めで優しい食感の生地になりますので好みで変えてみるのもいいかもしれません。

 

 

 

スポンジ生地の画像すべての材料を混ぜ終えた状態で生地をすくって写真のように落ちたところの形が  スーッと消えて行くくらいの固さがベストです。最初は卵の温度が冷たすぎるとか薄力粉の混ぜすぎ、牛乳とバターを入れたら生地が緩すぎたなど失敗するポイントはいくつかありますが誰でも最初からうまく作れません(プロでも最初は同じです)なので失敗するポイントをあらかじめ頭に入れてスムーズに作業ができればふんわりしっとりのスポンジ生地は必ず作れますので失敗を恐れずにチャレンジしてみて下さい。

 

スポンジ生地型入れ出来上がったスポンジ生地を型に流しいれます。今回のレシピは5号型(直径15cm)に250gで3台分のレシピで作りました。量が多いようであれば2台分にして作られても問題ないと思いますが少ない量で作ると、きめの粗い生地になったりふんわりしなかったりと最初は安定しない場合があります。なのでオーブンの大きさが小さいなどの理由がないのであれば2~3台焼成してラップに包んで冷凍保存することもできます。冷凍保存で1か月程度は問題ありません。

 

スポンジ生地焼成

それでは最終工程のスポンジ生地の焼成です。予め160℃の設定で予熱しておいたオーブンで20分前後くらい焼成しますがオーブンは上火、下火、蒸気抜き(ダンパー)付きや温度の強、中、弱など機能も様々ですのでここで説明している温度はあくまで参考にしてください。十分膨らんで表面にしっかり焼き色が付いたら表面を軽く触ってへこまないようなら焼成完了です。焼き色がしっかりつくまではオーブンの扉は開けないようにしましょう。いったんしぼんでしまったスポンジ生地は二度と膨らみませんので気を付けてください。今回は焼成前の生地が温かかったので約20分で焼成できました。いつも同じ数で焼成すると生地の温度も安定してくるので決まった時間で焼けるようになると思います。

スポンジ生地焼成後焼きあがったらすぐに型から外して生地の底が蒸れないように水分を吸ってくれる素材の上に置いて粗熱をとるようにします。適当なものがなければ木の素材で出来たまな板や鍋敷きなどで代用できます。焼きあがったスポンジ生地の焼成後の高さは6.5~7.0cmくらいに膨らんでいれば成功です。完全に冷めたら乾燥しないようにタッパーなどに入れて保存して(常温で高温多湿を避ける)1日寝かせます。一日生地を寝かせることでふんわりしっとりとした生地になります。これはパウンドケーキなども同じで焼き立てよりも一晩休ませたほうが生地が副材料ともなじんで美味しくなります。

 

スポンジ生地の作り方は以上です。

最後に7つの作るポイントやコツをまとめておきます。

  1. 作業を始める前に材料と道具は揃っているか確認すること
  2. オーブンの予熱は忘れずに
  3. 卵を湯銭で温めながら砂糖も半分くらい一緒に入れて溶かしておく
  4. 卵を湯銭から外したら火を止めて予熱で牛乳とバターを温めておく
  5. 薄力粉は混ぜる直前に2回ふるいにかけて空気を含ませる
  6. 粉を混ぜすぎない
  7. 焼成中オーブンを開けない

スポンジ生地の作り方を動画でも紹介していますので参考にしてみて下さい。

次は焼成したスポンジ生地を使ってデコレーションケーキを作ります。