イチゴにナパージュをかけて仕上げる

イチゴのデコレーションケーキ【ナッペ】

ナッペの材料

デコレーションケーキの作り方でスポンジ生地を前回作ってみましたのでその生地を使い

イチゴのデコレーションケーキを作ってみたいと思います。

初めて挑戦する方は難しそうに思われるかと思いますが作る際に注意したいポイントを

押さえておけば誰でも作れますので是非チャレンジしてみて下さい!

作り方はサンド・ナッペ・仕上げと工程がありますが画像では微妙な説明が難しいところも

ありますので動画で確認してみて下さい

デコレーションケーキのナッペって何?

スポンジにナッペしている画像

ケーキ作りでナッペという言葉が頻繁に出てくると思いますがナッペとは「napper」

スペルでフランス語でホイップクリームなどをスポンジに塗ることの意味でよく使われます。

フルーツの上に光沢のあるジュレをかけたりするときもナッペするといいます。

ナッペはパレットナイフで平らにクリームを塗るほかにもコームなどを使ってケーキの表面を

波形模様に仕上げたり絞り袋と口金を使って立体的な模様をつけたりと多彩です。

今回作ってみたいと思いますデコレーションケーキのナッペとはパレットナイフのみを使って

表面をきれいに仕上げる方法を説明したいと思います。

ナッペをするのに揃えておきたい道具は?

ナッペ道具

  • 回転台    : ナッペするデコレーションケーキを回転させるための台
  • パレットナイフ: ケーキに塗るための道具でケーキの大きさに合わせて2本あると便利
  • ホイッパー  : ホイップクリームを泡立てるための道具
  • ゴムベラ   : 泡立てたホイップクリームをすくったり、こそぎ取るために使う道具
  • 刷毛     : スポンジにシロップを塗ったりフルーツにナッペする時に使います
  • ボール    : 作るケーキの数や大きさ、氷をあてるなど大小2つくらいあると便利

①ナッペ用の生クリームを泡立てる

ホイップクリーム8分立て

生クリームは乳脂肪の高いものほど泡立ちはいいのですが分離し易い性質で逆に乳脂肪の低い

生クリームは泡立ちが悪い分扱いやすいといった特徴があります。

プロのパティシエは数種類の生クリームを混ぜて使用しますがこれは一度に大量の数の

デコレーションケーキを作るので作業性の良い配合を見つけてその店独自の配合をしています。

ご家庭で1台~2台のデコレーションケーキを作る場合はそのまま1種類の生クリームで

十分なので好みの生クリームを選んで作ってみて下さい。

スーパーなどで市販されている生クリームは35%、38%、45%程度のものが販売されて

いると思います。

45%は高脂肪の生クリームになるので味わいはコクがあり口の中でスッと溶けて後味が

さっぱりした感じで色合いはやや黄色味がかった白い色をしていて扱いが難しいです。

35%以下のホイップクリームはミルク感が少なく色も白っぽく味わいも45%の

生クリームと比べて後味がもったりした感じですが扱いやすいので初めてナッペにチャレンジ

するなら低脂肪のものを選ぶのもいいかもしれません。

最初から手際よくできる人はいませんからいきなり高脂肪の生クリームで挑戦するよりも

低脂肪の扱いやすいホイップクリームで初めて見たほうがきれいに仕上げられると思います。

生クリームに入れる砂糖の量は?

使用する生クリームの量に対して8%前後が標準

デコレーションケーキ5号サイズ(直径約15cm)1台分であればホイップクリームの

使用量は250gもあれば十分なので生クリーム250gで砂糖は20gになります

使用する砂糖は上白糖よりもグラニュー糖のほうが溶けやすいのでおすすめです。

ナッペするときの生クリームの立て具合

生クリームの立て方

 

一般的に8分立てがナッペにはちょうどいいといいますが私は6分立てと8分立ての半分づつ

1つのボールの中で立てておいて使っています。

もし立てすぎてしまった時などに6分立ての緩い生クリームを足して調節できるからです。

ボールの中身すべてを8分までホイップしてしまうと最後のほうにはボソボソとした感じの

クリームになってしまい表面がざらついたデコレーションケーキになります。

これは分離寸前の状態の生クリームなのでナッペ寸前に調節ができるように6分と8分の

ものを用意しておくとやり易くなると思います。

②スポンジ生地をスライスする

スポンジ生地のスライス

スポンジ生地は3枚にスライスして使いますが画像の真ん中の生地は少し薄いのわかりますか?

理由は最後の方で説明させていただきますが上と下の生地は1.5cmにスライスしています。

そして真ん中の生地は1cmでスライスしています。

スポンジ生地の切り方

スポンジ生地のスライスの仕方①

スライスする前にスポンジ生地を裏返してみて焼き目が付いているようでしたら手で払いのける

ように取り除きます。

焼き目が強く付いてしまった場合は表面を薄くスライスして取り除いてください

焼き目は味に影響しますので取り除いています。焼き目が付いたままのほうが

香ばしいという人もいますのでここは好みでご自由に!

スポンジ生地底のスライス

一番下の生地を厚さは1.5cmでスライスします。

スライスするときのナイフはパンナイフ(波刃)があればきれいにスライスできますのであれば

ぜひ使ってみて下さい。

なくても普通のナイフでもちろん切れますがスポンジ生地は柔らかいので押すように切らずに刃

を小刻みに動かしながらゆっくり切ってください。

押すように切ると表面がデコボコした生地になってしまいますのでその点は注意が必要です。

スライスするときにルーラーという道具を使うと便利です。

画像の角棒2本がルーラーです。

私はアルミルーラーの縦1.5cmで横1.0cm、長さ50cmのルーラー2本を使って

いますがもしご家庭で使用するのであれば厚さ3mmや5mm単位で売っているアクリルの

ルーラーが便利です

タルトの生地を均一に伸ばしたり、クッキーの生地を伸ばすのにも使えます。

そのルーラーを重ねて1.5cmの厚さにしてスライスします。

真ん中を1.0cmの厚さにスライスする

スポンジ生地厚さ1.0cm

先ほど上下は1.5cmで真ん中だけなぜ1.0cmにスライスするのかということを説明

しますとスポンジ生地だけの厚さでは1,5cm+1.0cm+1.5cm=4.0cmです

がそこに苺やホイップクリームをサンドしてナッペすると高さが5cm程度になります。

さらにナッペしたケーキの上にデコレーションなどを加えると7から8cmになります。

4号や5号サイズのデコレーションケーキでこの高さを超えるとバランスが悪くなります。

それともう一点、スポンジの厚さを真ん中だけ薄くしているの生クリームの量と生地の

バランスをとるためでもあります。

スポンジ生地をすべて1.5cmにして作ったこともありますが程よくスポンジ生地と

クリームがなじむ感じではなかったので私は基本のデコレーションケーキの生地は

この厚さで作っています。

話がそれてしまったので元に戻します。

スポンジ生地3枚スライス

すべてスライスするとこんな感じです。

③イチゴと生クリームをスポンジ生地でサンドする

まずは先ほど泡立てておいた生クリームを少量、一番下の生地1.5cmの中央に落とし回転台

を廻しながら生クリームを中心から外側に向かって伸ばします。(少しはみ出るくらいまで)

スポンジ生地にナッペ

3枚にスライスしたイチゴをはみ出ないように縁を1cm程度残して内側に並べます。

イチゴのスライスをサンド

生クリームをイチゴの上にのせてパレットナイフで先ほどと同じように外側に向かって伸ばして

いきますがこの時に注意してほしいことはイチゴとイチゴの間にきちんと生クリームが

入っているようにします。

カットしたときに空洞ができてしまうと見た目も悪くなりますのでこの点を注意してください。

生クリームの量はイチゴがうっすら見えるくらいの量です。

サイドも生クリームがはみ出るくらいがちょうどいい感じ。

今回のデコレーションケーキはイチゴを1段のみで作りますので一番下の段に並べています。

一番下の段に並べておくとカットしやすいです。

お好みで2段ともイチゴを並べる場合は上の段のいちごは量を少なめにしましょう。

イチゴと生クリームをサンド

イチゴのサンドが終わったら1.0cmにスライスしたスポンジ生地をのせて風味付けの

シロップを塗ります。

今回塗っているシロップはオレンジの香りがほのかに香るシロップをあらかじめ作って

おいたものを使用していますがシロップはその人の好みなので塗っても塗らなくても

構いません。

私はしっとりとした生地が好きなのでシロップを塗りますがスポンジ生地が

パサパサした生地に焼きあがってしまった場合は塗ったほうがいいと思います。

スライスした生地にシロップ

シロップを塗った生地に薄く生クリームをナッペします。

先ほどと同じ要領で中心から外側に生クリームを広げるようにします。

下の段のようにはみ出すくらい塗ります。

スライスした生地をナッペ

そして1.5cmにスライスした生地をのせて再びシロップを塗ります。

シロップを塗り終えたらスポンジが平らになっているか確認してもし出っ張っているところが

あったりやや斜めになっているところがある場合は手のひらで軽く押さえて平らに

してください。

これでイチゴと生クリームのサンドが終了しました

一番上の生地をナッペ

④ナッペをする

一番上の生地に生クリームを適量パレットナイフで平らにならします。

この時はきれいに仕上げなくても大丈夫ですのでなんとなく平らになっていて縁のクリームが

はみ出ているくらいにナッペ出来ていればOKです。

生地にナッペするトップ

次にサイドのナッペをしていきます。

パレットナイフで生クリームを少量すくい取り生地のサイドをナッペしていきます。

この時のコツは一度サイドにはみ出ている生クリームで一周下塗りしておくとスポンジ生地の

カスが生クリームに混ざりにくくなりますので2度塗りの時にきれいに

仕上げることができます。

慣れない内はこのような2度塗りをしたほうが仕上がりがきれいにできますので

試してみて下さい。

生地のサイドをナッペする

サイドのナッペが終わりましたらトップの縁をパレットナイフを使って外側から内側に向かって

余計な生クリームを削いでいきます。

表面を平らに仕上げられたらナッペの完成です。

ナッペは生クリームが冷えている状態でスピーディーに行う作業ですが最初からできる人は

いないのでここは練習あるのみです。

ただあまり見た目ばかり気を取られているとすぐに生クリームがボソボソになったり、

ダレてしまったりするのでナッペの時はスピーディーに作業をするように意識しましょう。

トップのナッペ仕上げ

デコレーションケーキの仕上げをする

ナッペが完成したら次にデコレーションケーキの仕上げに取り掛かりますが特に

暑い季節はナッペが完成したら冷蔵庫で少し休ませてから仕上げに取り掛かりましょう。

ナッペ完成

今回はイチゴのデコレーションケーキを作りますので生クリームを絞る目安の印を付けます

5号サイズのデコレーションなので3号サイズのセルクルを使って真ん中に印を付けます。

仕上げの下準備

印を付けた縁に沿って生クリームを絞っていきます。

今回は丸口金でオーソドックスな絞りにしていますが好みで星型の口金やサントノーレ型

などにしてもいいかもしれません

仕上げ生クリームを絞る

生クリーム絞り完成

生クリームを一周絞り終えたら真ん中にイチゴをゴロゴロと盛り付けていきます。

今回は生クリームをリング状に絞ったデコレーションにしましたのでイチゴも盛り付け

やすいようにカットしたイチゴを使います。

イチゴだけでなく数種類のフルーツを使って盛り付けてみても華やかなデコレーション

ケーキになると思います。

イチゴをカットする

カットしたイチゴを中心に適当に並べていきます。

イチゴはあまり小さく切りすぎると水分が出てきますのでこのくらいの大きさまでに

しておきましょう

イチゴをケーキに盛り付ける

イチゴ盛り付けの完成

デコレーションケーキの最終仕上げ

イチゴの盛り付けが終わりましたら最終仕上げでイチゴにナパージュします。

通常のナパージュは透明なものを使いますが今回はイチゴのピューレを透明のナパージュに

混ぜたものを使って仕上げてみたいと思います。

イチゴにナパージュをかけて仕上げる

イチゴの風味を前面に出したかったのでピューレ入りのナパージュにしましたが数種類の

フルーツもなどを盛り付けた場合は透明のナパージュを使ったほうがきれいに見えます。

そしてついに完成したイチゴのデコレーション5号サイズがこちらです。

イチゴデコレーションケーキの完成

作り方を動画で見たい方はこちら